【戦略コラム】どうやってプレイイングを向上させるか
2012年11月27日 mtg 戦略 コメント (4)いかにしてプレイイングを向上させられるのだろう。
マジックのゲーム中に"考える"とは、そもそもどういうことか?
ここに書くのはよくよく考えればとても基本的なことなのだが、このことを実践できていない自分への戒めを込めて恥を知りながらも書く。
とても原理的なことからはじめる。
"考える"という行為は道具だ。
ひとは何かを考えるとき、成し遂げたいことがあるから考える。例えば恋人に渡すクリスマスプレゼントを考えるのは、その恋人に喜んでもらうために考える。プレゼントで喜んでもらうためにはどうすればいいか、を考えるので、プレゼントには「恋人が喜ぶ」という条件が必須。この前提があるので、考えぬいたプレゼントはきっと、「恋人が喜ぶ」ものであるはずだ。
ではこのような目的を持たずに、考えるとどうなるのか?
クリスマスプレゼントの例を続けてみよう。「恋人が喜ぶ」ということを意識せずにプレゼントを選ぼうとした場合、花束がいいのか、豪華な食事がいいのか、サプライズをしかけるのがいいのかなどという選択肢のそれぞれを、どうやって評価すればいいのかがわからない。それでも何らかの決定をしなければならないので、結局えいやっと(究極的にはランダムに)選ぶことになり、「恋人が喜ぶ」プレゼントになるかどうかにはまったく関係のない決定になってしまう。
マジックに応用する。
マジックの目的はゲームに勝つことだ。ただこれだけでは漠然とし過ぎているので、分割して考える。つまり最終的にどうやって勝つのかはデッキによって様々だが、勝つまでには様々な段階を踏んでいくはずだ。この各段階は"小目標"を持っており、この"小目標"を達成していくことで最後にはゲームに勝つことになる。
マジックにおいて"考える"とは、"現段階の小目標をどうやって達成するか"ということだ。
表題の件はこれで決着がついてしまう。
つまり、マジックのゲーム中の"考える"という行為そのものは、小目標をいかに達成するか? という個々の選択の話でしかない、ミクロな話だ。戦略、戦術、個々の選択。つまりプレイイングを向上させることは非常に大きな意味があるのだが、闇雲にゲーム中に"考える"だけでは決して成長は望めず、常に"いま達成したい小目標は何か"を考える必要がある。それには戦略、戦術の明確化が必須だ。私はこのことを強く認識しなければならないと思う。
戦略なくして戦術なし。戦術なくして選択なし。
デッキ選択にもこの考え方は重要だ。
なぜならばデッキ選択とは環境に対する回答を用意することであり、個々のデッキの戦略の相性を考えることだからだ。個々のデッキには得手不得手があって、その得手不得手をどうやって明確化するかといえば、戦略、戦術に落とし込むということなのである。
以上で概論は終わりなのだが、さすがに抽象的にすぎるので具体的な例を挙げる。
私が使おうとするラクドスミッドレンジの戦略、戦術を考える。デッキリストは前回の日記を参照のこと。
【戦闘でライフを削るデッキの究極目標】
少なくとも1体以上のクリーチャーの攻撃が通る状況を、相手が死ぬまで続けること
これはとても根源的なレベルの話だ。
こちらの場に熊がいる。相手の場には何もない。この状況がずっと続けばいいのである。ブロッカーを展開されても、除去を喰らっても、継続的なクロックが一体でもいればよい。この基本を念頭において、ラクドスミッドレンジの戦略を考えてみる。
【ラクドスミッドレンジの戦略(大目標)】
クリーチャーをいち早く展開し、相打ちと除去を繰り返しつつ粘り強くクロックを刻む。
ラクドスミッドレンジのよさはなんだろう。
それは以下の3点だ。クロックの除去に対する強さ、クリーチャーによるクロック以外のダメージを与えるプランが豊富なこと、除去の多さ。墓所這い、ゲラルフの伝書使、ファルケンラスの貴種は除去耐性がある。ファルケンラスの貴種、地獄乗り、雷口のヘルカイトは速攻持ちでソーサリータイミングの除去に対する回答になりえる。灼熱の槍、硫黄の流弾、血の署名、ゲラルフの伝書使のCIP能力、地獄乗りの誘発能力は対応が困難なダメージソースとして有用である。灼熱の槍、硫黄の流弾、夜の犠牲は計8枚。単体除去の枚数としては十分すぎるほどである。
【ラクドスミッドレンジの戦術(小目標)】
v.s. ビートデッキ(緑白、赤黒など)
序盤(1~2t):クロックの準備、あるいは除去。こちら先手で4t目貴種or5t目ヘルカイトができそうなときを除いて、マナクリーチャーは最優先で除去。
中盤(2~3t):追加のクロック、あるいはブロッカーの排除。
終盤(4t~) :フィニッシャーの展開。ライフレースが微妙になった場合には、ブロッカーを除去として考える。セレズニアチャームや相手に除去をうたれて押し込まれることに注意。
基本的にビートデッキとの戦いがよりシビア。とくに最序盤に除去をするか展開を優先するかでその後の展開ががらりと変わる。サイド後は除去コンのような動きもできるが、基本的にブロックするという概念に乏しいため受け身に回りすぎないように注意する。
v.s. コントロールデッキ(バント、ジャンドなど)
序盤(1~2t):クロックの準備を最優先。これができなければマリガン。
中盤(3~4t):引き続きクロックを展開。ブロッカーとは相打ちを取るよりも除去を優先。とにかくクロックを絶やさない。
終盤(4t~) :除去を警戒。
コントロールデッキ戦は除去をする機械と戦うようなものなので、ハンドを保ちつつクロッカーを展開していく。それが出来れば勝てる。出来なければ負ける。速攻クリーチャーを展開するタイミングが肝。未練ある魂、高原の狩りの達人、スラーグ牙のようなアドバンテージを取られるカードへの対策が必須。
もっともっと細かいことや各デッキに対しての動きは想定できるのだが、今回は時間の関係でここまで。
こういった具体的なことを考えられて(Plan)、その上でプレイして(Do)反省をし(Check)、改善できれば(Action)いいなあというすごく基本的な記事でした。
マジックのゲーム中に"考える"とは、そもそもどういうことか?
ここに書くのはよくよく考えればとても基本的なことなのだが、このことを実践できていない自分への戒めを込めて恥を知りながらも書く。
とても原理的なことからはじめる。
"考える"という行為は道具だ。
ひとは何かを考えるとき、成し遂げたいことがあるから考える。例えば恋人に渡すクリスマスプレゼントを考えるのは、その恋人に喜んでもらうために考える。プレゼントで喜んでもらうためにはどうすればいいか、を考えるので、プレゼントには「恋人が喜ぶ」という条件が必須。この前提があるので、考えぬいたプレゼントはきっと、「恋人が喜ぶ」ものであるはずだ。
ではこのような目的を持たずに、考えるとどうなるのか?
クリスマスプレゼントの例を続けてみよう。「恋人が喜ぶ」ということを意識せずにプレゼントを選ぼうとした場合、花束がいいのか、豪華な食事がいいのか、サプライズをしかけるのがいいのかなどという選択肢のそれぞれを、どうやって評価すればいいのかがわからない。それでも何らかの決定をしなければならないので、結局えいやっと(究極的にはランダムに)選ぶことになり、「恋人が喜ぶ」プレゼントになるかどうかにはまったく関係のない決定になってしまう。
マジックに応用する。
マジックの目的はゲームに勝つことだ。ただこれだけでは漠然とし過ぎているので、分割して考える。つまり最終的にどうやって勝つのかはデッキによって様々だが、勝つまでには様々な段階を踏んでいくはずだ。この各段階は"小目標"を持っており、この"小目標"を達成していくことで最後にはゲームに勝つことになる。
マジックにおいて"考える"とは、"現段階の小目標をどうやって達成するか"ということだ。
表題の件はこれで決着がついてしまう。
つまり、マジックのゲーム中の"考える"という行為そのものは、小目標をいかに達成するか? という個々の選択の話でしかない、ミクロな話だ。戦略、戦術、個々の選択。つまりプレイイングを向上させることは非常に大きな意味があるのだが、闇雲にゲーム中に"考える"だけでは決して成長は望めず、常に"いま達成したい小目標は何か"を考える必要がある。それには戦略、戦術の明確化が必須だ。私はこのことを強く認識しなければならないと思う。
戦略なくして戦術なし。戦術なくして選択なし。
デッキ選択にもこの考え方は重要だ。
なぜならばデッキ選択とは環境に対する回答を用意することであり、個々のデッキの戦略の相性を考えることだからだ。個々のデッキには得手不得手があって、その得手不得手をどうやって明確化するかといえば、戦略、戦術に落とし込むということなのである。
以上で概論は終わりなのだが、さすがに抽象的にすぎるので具体的な例を挙げる。
私が使おうとするラクドスミッドレンジの戦略、戦術を考える。デッキリストは前回の日記を参照のこと。
【戦闘でライフを削るデッキの究極目標】
少なくとも1体以上のクリーチャーの攻撃が通る状況を、相手が死ぬまで続けること
これはとても根源的なレベルの話だ。
こちらの場に熊がいる。相手の場には何もない。この状況がずっと続けばいいのである。ブロッカーを展開されても、除去を喰らっても、継続的なクロックが一体でもいればよい。この基本を念頭において、ラクドスミッドレンジの戦略を考えてみる。
【ラクドスミッドレンジの戦略(大目標)】
クリーチャーをいち早く展開し、相打ちと除去を繰り返しつつ粘り強くクロックを刻む。
ラクドスミッドレンジのよさはなんだろう。
それは以下の3点だ。クロックの除去に対する強さ、クリーチャーによるクロック以外のダメージを与えるプランが豊富なこと、除去の多さ。墓所這い、ゲラルフの伝書使、ファルケンラスの貴種は除去耐性がある。ファルケンラスの貴種、地獄乗り、雷口のヘルカイトは速攻持ちでソーサリータイミングの除去に対する回答になりえる。灼熱の槍、硫黄の流弾、血の署名、ゲラルフの伝書使のCIP能力、地獄乗りの誘発能力は対応が困難なダメージソースとして有用である。灼熱の槍、硫黄の流弾、夜の犠牲は計8枚。単体除去の枚数としては十分すぎるほどである。
【ラクドスミッドレンジの戦術(小目標)】
v.s. ビートデッキ(緑白、赤黒など)
序盤(1~2t):クロックの準備、あるいは除去。こちら先手で4t目貴種or5t目ヘルカイトができそうなときを除いて、マナクリーチャーは最優先で除去。
中盤(2~3t):追加のクロック、あるいはブロッカーの排除。
終盤(4t~) :フィニッシャーの展開。ライフレースが微妙になった場合には、ブロッカーを除去として考える。セレズニアチャームや相手に除去をうたれて押し込まれることに注意。
基本的にビートデッキとの戦いがよりシビア。とくに最序盤に除去をするか展開を優先するかでその後の展開ががらりと変わる。サイド後は除去コンのような動きもできるが、基本的にブロックするという概念に乏しいため受け身に回りすぎないように注意する。
v.s. コントロールデッキ(バント、ジャンドなど)
序盤(1~2t):クロックの準備を最優先。これができなければマリガン。
中盤(3~4t):引き続きクロックを展開。ブロッカーとは相打ちを取るよりも除去を優先。とにかくクロックを絶やさない。
終盤(4t~) :除去を警戒。
コントロールデッキ戦は除去をする機械と戦うようなものなので、ハンドを保ちつつクロッカーを展開していく。それが出来れば勝てる。出来なければ負ける。速攻クリーチャーを展開するタイミングが肝。未練ある魂、高原の狩りの達人、スラーグ牙のようなアドバンテージを取られるカードへの対策が必須。
もっともっと細かいことや各デッキに対しての動きは想定できるのだが、今回は時間の関係でここまで。
こういった具体的なことを考えられて(Plan)、その上でプレイして(Do)反省をし(Check)、改善できれば(Action)いいなあというすごく基本的な記事でした。
コメント
若干楽しみだっただけに残念感がパない!続きかけよww
リプレーで自分のプレー見返せるし、何より試行回数がリアルと違いすぎる。
今週末のFNMやGPTで実践します。
ですよね。。。
replayできるのは本当に大きいと思うんだ。
両方に資産を投下できるだけのお金がほしいw